キューイングの種類とその役割
2020/12/1
こんにちは、ZONEアカデミーのWataruです。
ピラティスは、エクササイズをされるお客様の傍(かたわら)にインストラクターがいて、動作へ導くよう指示を出していくスタイルで進行していきます。
だからこそ『キューイング』は、インストラクターとして永遠のテーマというべき課題です!そこで今回から『キューイング』と、キューイングを『効果的に活用する方法』について、シリーズでお届けしていきます。
1 .「キューイング」とは何か?
クライアントの正しい動作を導き出すための非常に重要な要素。 「Cueing(キューイング)、Cue(キュー)」は、直訳すると「合図、きっかけ、手がかり」。 ピラティスにおいては「指導者から発せられる情報伝達の行動」を意味しています。
一つのCueingでもクライアントによってとらえ方が異なり、私がピラティスを学び始めた当初は、その複雑さと影響の大きさに、これまでの運動指導から感じたものとは別の刺激で衝撃に似た感覚さえありました。
2 .「キューイング」の種類
人の感覚を刺激するのがCueing(キューイング)です。五感のうち「聴覚、視覚、触覚」に働きかける3つの方法が、ピラティスにおけるCueingとなります。

①聴覚へのCueing
指導者による口頭指示(声)として言葉で動作を誘導します。 例えば、 「体の部分の〇〇と△△を動かしながら・・・」などの解剖学的なものであったり、「まるで雲の上を、走る様に」「猫になったつもりで」というようなイメージを用いることもあります。ユーモアと遊び心あるところに、組織の弾性ある動きが期待できるとする意見とも合致する面白い手法です。
②視覚
ビジュアル・キューイングとも呼ばれるもので、エクササイズを手本として披露するのではなく、指導者の身振りも含めて、期待する動きや、動作の方向を示すことなどを意味します。
③触覚
タクタイル・キューイング(触れる、さするetc)を活用し、直接刺激を与えることで要求する筋や部位を聴覚・視覚のcuieingと連動させる方法です。単に手で持ち上げたり、引っ張ったりする補助ではないのが大きな特徴です。
3 .「キューイング」の役割とは?
見知らぬ街を散策する時、お世話になるのがGPSシステムですよね。
正確な現在地から、まだ見ぬ通りの先々の様子と進むべき方向を示してくれるからこそ、安心して目的地をめざすことができます。
エクササイズの指導にも同様のことが言え、自分では分からない体の現状、動いたこともない動作の順序などが事前に思い描けていることがスムーズな動きへと導きます。
「期待する動作、形が鮮明に描写されるのを助ける情報」であるべきなのが指導者から伝達されるキューイングが果たす役割です。
次なる段階が事前に理解、把握できている状態を「予測性が高い」という言い方をしたりもします。

4 .「最高のキューイング」のねむる場所
「情報」としてのキューイングは受け手であるクライアントの脳に届いてこそ、その役割を果たします。指導者からのメッセージは、その人が最も理解しやすいフォーマットで、適切なタイミングで送られた時に確実に届きます。

だからそれが「最高のキューイング」なのかどうか?はクライアントの動きの中に見ることができるのです。
勿論、ある程度の結果を期待して慎重にキューイングを選択はしますが、思いもよらない反応となってかえってくることがあります。
解釈や物事の学習方法の好み、性格も経験も十人十色です。
だからこそ小さな変化を見逃さず、好ましい反応があれば、その時の感覚、イメージはどんな感じを思っていたのかをクライアントに聞いてみると「最高のキューイング」を見つけることになります。
単に回数を数え、励まし、勢いづけるものとしての領域を越えた「キューイングの魔法」とは??
次回へ続きます…

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