サスティナブルなスタジオ運営とは何か。20年続けて分かったこと。
- yukokato
- 2 時間前
- 読了時間: 4分
2025/12/1

こんにちは、Wataruです。
2025年は、スタジオにとって20周年の節目の一年でした。
長いようで短く…短いようで…やっぱり長い時間でした…。
この一年、何度も思い出した光景があります。
それは…最初のクラスの前にドアノブを握った緊張感。受講生のノートに残っていたメモの文字。「このZONEという、場所があって助かった」と伝えてくれた方々の言葉。
振り返ってみると…
20年という時間は出来事の積み重ねではなく、支えてくれた人々の顔が浮かんでくる集合体のように感じます…振返りは、成果の棚卸しというより、感謝の点呼に近いものです…。
今もこうして続けていられること自体が、非常に有難いものであり、奇跡の積重ねだと今年は特に実感しました。

現実として、また実感として…ただ一つ。事業は「続ける」ことが最も難しい…
近年、日本ではピラティススタジオやパーソナルジムの開業が急増しています。参入が増えるのは文化が広がる点でとても良いことですが、その一方で「始めやすい時代」は「消えやすい時代」でもあります。
特に、世界的なピラティス市場は拡大し続けています。
Global Pilates & Yoga Studios Market Report 2022–2028 によれば、
世界の市場規模は2022年に約126億ドル
2028年には約216億ドルと倍程度に到達すると予測
年平均成長率(CAGR)は 約9.2% とされています。
また日本国内では、同レポートを引用した市場分析によれば、
2022年時点の国内市場は約700億円
2028年には約1,200億円へ成長見込み
年平均成長率(CAGR)は 約7.8% という試算があります。
市場規模が拡大し続ける一方で、実際には「5年後に残る企業は約8割」という公的データもあります。成長と継続、その両方の現実を踏まえることが、サスティナブルなスタジオ運営の第一歩だと感じています。

サスティナブルビジネスとしてのスタジオ運営。20年続けてきて、結局これでした!!
1. うまくやるより、やめない設計を持つこと
ビジネスの才能がある人より、やめない仕組みを作れる人が残ります。派手な拡大より、呼吸をするように続くリズムを作ることが大切です。
月の売上の「天井」より「床」を上げること。
繁忙期の利益より、閑散期の損失をどう減らすかを考えること。
体力や気力が極端に落ちる「赤字の月」を作らないこと。
時間は想像以上に早く過ぎます。だからこそ、守るべき資源を先に確保する考え方は、人生にも運営にも共通すると感じます。
2. 単価を上げる前に、価値の見え方を整えること
値上げは技術ではなく、関係性と物語が支えます。クライアントが支払っているのは運動の時間ではなく、生活の安心、身体の未来、自分を取り戻す感覚です。その価値がきちんと伝わっていると、価格は「上げるもの」ではなく「整うもの」になると感じます。
3. 来る人より、残る人を最優先すること
広告やSNSが強い時代ほど、継続率が経営の中心になります。
体験後の30日。
3か月目の壁。
1年目の停滞期。
スタジオの寿命は集客数ではなく、
「ここで続けられる理由」をどれだけ育てられたかで決まります。
4. 教える技術は毎年アップデートする前提で持つこと
20年続けて痛感したのは、「昔できた指導が今も通用するとは限らない」という当然の事実です。教材も基準もクライアントの生活も、毎年少しずつ変化しています。だからこそ、自分の指導は「完成品」ではなく「改訂し続ける版」として持っておく必要があると感じます。
5. 拍手は少なくていい…だから、静かな手応えを育てること
続けていると、外から見える成果より、誰にも見えない仕事が増えていきます。拍手はときどきしか来ませんし、多くの努力は気づかれません。だからこそ「これでいい」という静かな手応えを自分の中に育てておく必要があります。

20周年の年に感じたこと
今年いちばん強く感じたのは、「続けてきたことは、すべて人に支えられていた」という事実です!! クライアント、受講生、仲間、家族、そして20年前の自分。必要だったのは特別な才能より、やめない工夫と、支えられる勇気、そして「責任は自分にある」と言える覚悟だったと思います。
これからのこと…
20年続けても、まだ学ぶことばかりです。
むしろ学ぶ速度は年とともに上がっているように感じます。来年もスタジオは劇的に変わらないかもしれません。それでも、クライアントの身体の明日を少し良くすること。
インストラクターのキャリアに新しい扉を増やすこと。文化としてのピラティスを、地に足のついた形で広げること。これらを実現するための地道な行動を丁寧に積み重ねていきます。
サスティナブルとは「燃え続けること」ではなく、「燃え尽きない構造を作ること」だと感じています。20周年の年の最後に、この当たり前をもう一度手に戻しながら、2026年に向かいたいと思います。
今年もこの場所に関わってくださったすべての方へ、心から感謝申し上げます。






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