2022/6/1
こんにちは、Wataruです。
動き、機能のホメオスタシスを保つ為に、脳は絶えず身体からのフィードバックを探し求めています。この情報は身体にとても重要で、それを垣間見ることが出来る事実として身体には運動神経の2倍以上(6倍)の感覚神経が存在します。
それだけの豊富な感覚神経の多くはどこにあるのか?
答えは…感覚器としてのファシア。

これまでは、筋肉や関節にあると思われていましたが、感覚神経の多くは皮膚、皮下層、筋間中隔、関節包、筋腱移行部、靭帯、そして筋束を包む全部『ファシア』(膜)にあるんです。
感覚受容器が取り込む情報の種類
固有感覚:空間内で身体の各部位の位置を感知する感覚。バランス感覚を含む
運動感覚:身体各部の動きを感知する感覚
外受容:体の外部からの入力を知覚
例えば、温度、光、触れているものの表面が粗いとか、滑らかだと感じるのもこれに該当します。

内受容:心拍、呼吸、内臓の動きといった内部の感覚を知覚
などなど、胸やけ、空腹感だったり第六感的な胸騒ぎみたいなものも含みます。
[Coverheaden1, Bigley]
『動かす』ことと、感覚器としての『ファシア・膜』の関係
著名な研究者の言葉を借りればこんな見解もあるんです。。。
感覚神経も機械受容器として知られており、圧迫や圧縮だけでなく張力やせん断力にも反応する [van der Wal2]これらの入力が固有感覚、運動感覚、内受容の感覚につながっている[van der Wal2]。
感覚神経の色々
感覚神経はルフィニ、パチニ、ゴルジ、自由神経終末、筋紡錘を含むFasciaと関係があってそれぞれ所在も違えば、役割や刺激する要素も違うんです。 温度、圧、痛み、化学刺激に反応する受容器で、張力やごく軽いタッチに対する機械受容器があったりします。また、ゆっくりとした持続的な伸張に反応して弛緩反応を引き起こす運動、皮膚の伸張、位置感覚に反応するものもあります。速度や振動、皮膚上を振動させる動作刺激に敏感で質感の識別ができるセンサーのようなものも様々です。

だから膜組織を刺激する為には多様性が求められると解釈しています。
画一的に反復するだけでは限界があります。感覚刺激の入力を変化させる事が重要だと考えています。運動の方法、環境、器具の質感、誘導や指導の方法などなど。。。
自分の知識の引き出しの中に、十分な選択肢を格納できている前提は勿論ですが、感覚器のそれぞれの性質を理解することで、豊富な選択肢の中からより特化した方法を戦略的に選択できることが重要です。
常々、サイエンスやエビデンスをもとに、尊重しながらも自身の考察と解釈を含めてムーブメント、動きや運動で実践するにはどうしたらいいか?と考えるのが大好きです。
つまりは。。。
もう、とっくに読むことをあきらめてしまった方も多いなか(?)
あなたには、ここまで読んでいただきありがとうございます。
つまりお伝えしたかったのは。。。
体の感度を高める=動く=ファシアを刺激する
体を『動かす』ことと、感覚器としての『ファシア・膜』の関係に可能性を感じるんです。動く事によって生まれる身体への変化と刺激が加わります。伸ばされたり、圧迫の力だとか、組織同士が擦れ滑るような力が加わる事で膜に、感覚器に働きかけることが出来るわけです。
身体に構造をもたらし、力の伝達をするものとしてのファシアだけでなく
感覚器としてのファシア、膜にまでアプローチできる可能性をムーブメントに期待することができます。こうしたことからも膜を研究する立場の人々も、運動を提供する私たちの様な人もファシア・膜を共通項にして『動き』の可能性に注目するのはしごく当たり前なのかもしれません。
日進月歩の目まぐるしくも、エキサイティングに膜組織の色々なことが明らかにされている
この時代を、楽しみながら捕まえていきたいものです。未来に広がる「動き」の可能性を信じて…
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