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リハビリテーションにおけるピラティスの可能性と、指導者に求められること

  • yukokato
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

2025/9/1


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こんにちは Wataru です。


先日とある国を訪れている私を訪ねて来て下さった方と、リハビリを目的としたセッションを行いました。


乳癌の治療の影響で日常動作に不安を抱えながら日々を過ごしているとのことをお聞きし、呼吸を意識しながら小さな動きを繰り返していくうちに、表情が変わり「痛みが少し和らいだ気がする」との言葉と笑顔がこぼれました。


私にとっても試験のような時間でした…


「ピラティスをどう応用すれば、この人の回復を支えることが出来るのか…」― その問いに向き合い続けるのは、常に挑戦であり、学びの連続です。


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ピラティスがリハビリで注目される理由


ピラティスは、呼吸・姿勢・動作パターンを整えることで「再学習」を促すシステムを持っています。筋肉をただ鍛えるのではなく、動作そのものの質を変える。その仕組みがリハビリと強く結びつきます。


▶︎ 運動制御の再教育

 怪我や手術後の代償動作を見直し、忘れられた神経回路を呼び戻す。


▶︎ 呼吸と自律神経へのアプローチ

 呼吸法を伴うエクササイズは、慢性痛やストレスの軽減に役立ちます。


▶︎ 個別性の高さ

 専用器具を活用することで、体力や症状に応じて安全に調整できる。リハビリの現場にとって大きな利点です。


実際、前述のクライアントも、リフォーマーを使ったごく小さな可動域での運動から始めることで、恐怖心が薄らぎ、徐々に自信を取り戻していかれました。



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指導者が直面する課題


一方で「ピラティス=リハビリに効く」という短絡的な理解は危ういものです。

私自身、指導の場で何度も「ここまで踏み込んでいいのか?」と自問してきました。


▶︎ 医学的知識の不足

 解剖学を少し学んだ程度では足りません。病態生理や治療過程を理解しないままでは、指導は時に危険になり得ます。


▶︎ 境界線の見極め

 ピラティス指導者は治療者ではありません。診断や治療は医師や理学療法士の領域であり、私たちはそのサポート役に徹する必要があります。


▶︎ 教育と倫理

 リハビリ領域で関わるためには、追加の学習や資格、そして誠実な態度が求められます。クライアントに「できること・できないこと」を正直に伝えることが信頼につながります。



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未来への視点


ピラティスはリハビリの現場で大きな可能性を秘めています。しかし、それを実現するのは「メソッド」ではなく、指導者自身の学びと責任感です。


セッションを終えたクライアントの「またやってみたい」という言葉は、私にとって最高の答えでした。


治すのではなく、支える。その立場を守ることでこそ、ピラティスは希望になる。


これからも私たち指導者は、自分の知識と技術を問い直しながら、一人ひとりの回復をそっと後押しする存在でありたいと思います。

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