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茶の心とピラティス

  • yukokato
  • 9月30日
  • 読了時間: 3分

2025/10/1


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こんにちは、Wataruです。


日本の文化や精神性に深く興味を抱く今日この頃。そんな年になったのか、と思いながら、気まぐれに茶碗を手に取り、自己流でお抹茶を点ててくつろぐことがあります。


世界中で「Matcha」を目にする機会が増えました。ある街で日本の味が恋しくなった時、エスプレッソと抹茶を合わせたものを試しましたが…やめておけばよかったと後悔したものです😭


斬新さはないけれど、自分の淹れるデタラメな抹茶のほうが好みにはあってました✨


ちょうどそんな時、茶道裏千家十五代家元、千玄室氏の訃報に接しました。ニュースを目にした瞬間、ある記憶が鮮やかに蘇ってきました。


ピラティスの修行の為、カナダに渡る直前、私はNHKのテレビドキュメンタリーを偶然目にしました。番組名も放送日も定かではありませんが、その中で印象深く映し出されていたのは、千玄室氏がビートたけし氏を茶席に招く場面でした。


千氏は、客人の背丈に合わせて庭の生け垣を切り揃え、掛軸や器も相手の好みにふさわしいものを選び抜いていました。その一つ一つの配慮が、相手を敬い、もてなす心を体現しているように感じられました。お点前や作法そのもの以上に、迎えるまでの準備にこそ、茶道の精神が宿るのだと知った瞬間でした。


その光景を見て以来、私はピラティスのスタジオにお客様を迎える際の指針を、茶の湯の「もてなしの心」に置くようになりました。



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――入口の雰囲気は落ち着いているか。器具や道具は清らかに整えられているか。クライアント一人ひとりの体格や性格、そしてその日の心持ちに合わせてプログラムを選べているか。


ピラティスにおける「もてなしの心」とは、単にエクササイズを提供することではありません。思いを巡らせ、想像力を働かせ、あらゆる反応を想定して選択肢を用意すること。


予期せぬ事態に備えてバックアッププランを準備しておくこと。そして指導の言葉――キューイング――は、その方の傾向や思考の癖、現在の能力や時期、さらには興味関心に合わせて自在に変化させる必要があります。


指導者が呼吸を合わせ、同じリズムで空間を共有することもまた、大切な「もてなし」だと考えています。


たとえば、初めて参加する方が不安そうにしていれば、複雑な動きよりも呼吸を感じられるシンプルなエクササイズを選びます。


リハビリの途中にある方であれば、無理のない範囲で成功体験を積めるよう、小さな達成感を感じられる流れを組みます。長く続けている方には、少し挑戦的な動きを織り交ぜ、マンネリを超えて新たな気づきを得られる時間にしていきます。


こうした準備と配慮の積み重ねこそが、茶の湯における「もてなし」と同じく、ピラティスにおけるもてなしの心だと感じています。



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茶道における「一期一会」の精神は、ピラティスにおける一回一回のセッションにも通じます。相手を思い、心を尽くすこと。形式や流派にとらわれず、その人のために最善を尽くすこと。それが結果として、動きの中に心地よさや学びを生み出すのだと思うのです。


千玄室氏は、海外での茶道普及にも尽力し、常に国際的な対話を大切にしてきた方だそう。その姿勢は、私たちが「身体の動きを通じて世界とつながる」ピラティスの仕事に重なる部分もあると、勝手ながら思っています。


あの時目にした一場面をこれからも胸に刻み、スタジオに立ち続けたいと思います。


――千玄室氏の言葉「一碗から平和へ」を胸に。


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